山彦先生のわかる法律
 
★このコーナーは、あさひ法律事務所の佐野総信弁護士の情報提供により連載しています。
 

第十章 家庭生活

家庭内暴力- Domestic Violence−その1:概要

日本国内で一般的に軽視しがちな家庭内暴力は、豪州クイーンズランド州では主にDomestic Violence(Family Protection)Act 1989(QLD)にて被害者の救済が行われている。その他にも家庭裁判所による仮処分的救済方法、Peace and Good Behavior Act (QLD)による制止方法、及びクイーンズランド州刑法の傷害罪に頼った救済方法などもある。今回は一般的にDomestic Violence=ドメスティック・バイオレンスまたはDV=ディヴィーと呼ばれているDomestic Violence(Family Protection)Act 1989(QLD)に焦点を充てて家庭内暴力を説明致します。

豪州では家庭内暴力は大変一般化しており今日3人の女性に一人は家庭内暴力を経験しているとさています。しかもこの実情が家庭内で被害を受けた女性に多い事例は、男性側の主張では被害者への暴力を認めないなど一方的な否認、又その上加害者の態度の矯正には応じないなど加害者による卑劣な事件が多いのも家庭内暴力の現状であります。家庭内暴力の特徴は、一度家庭内で暴力が発生すると再発の可能性が高くしかも暴力がエスカレートし、そして恒久的身体障害などを起す危険性があることとされています。

家庭内暴力の定義に含まれる行為として被害者及び被害者の持物・所有物に対する暴力行為、言語により相手をやじること、社会的、性的、心理的又は金銭的行為の乱用も家庭内暴力とされ豪州においては金しばりも出来ないのが通説である。ですから暴力と言葉の暴力もこの法律の対象であります。またこにれは同意を得ないで実行する猥褻行為も含まれる。そして暴力の対象は配偶者、子供及びその他の家族構成員及び職場の同意を含まれます。このような事件が起こり、そして再発する可能性があれば、裁判所に申請した上で、裁判所で保護願いの命令を下してくれる。一端裁判所の家庭内暴力が存在する事を認めれば、先ず『仮保護願い』が下され、そして再審した上で『本保護願い』が下されます。

日本では家庭内暴力はまだまだ法令化されておらず、公法の保護は実現の段階にまだ到達していない。そのため実現化を目指して総理府が1999年に初の全国調査を実施したばかりでまだ具体的にどのような経緯をたどるのかまだ不明である。米国では1994年に「女性に対する暴力防止法」などが制定され韓国、台湾でも既に具体的に法令が制定されている。日本の総理府が実施した調査によると既婚女性の約15%が身体的暴行を受けていいるものの、それを公的機関に相談した女性はわずか3.1%に過ぎなかったとしている。しかし従来から日本の警察が家庭内のごたごたとして被害者に対して十分配慮を実施されていないのが実情で、これを起訴する事はことさら難しさが残る。このため移民と供に日本人社会に一部は根強く居ついています。

家庭内暴力の供述の特徴と言えば家庭内に発生している暴力は大変他の人々には信じ難い実情が発生し、また自らの恥ずかしさと恐怖さから中々被害者が簡潔に供述できないこともある。また日本人の場合、白人との文化的相違により年配夫婦間では豪州人の想像を絶する事柄が発生し、一般的では説明しきれない事実関係も発生している。

次回は具体的な救済方法と手続きについて説明をする予定です。

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