山彦先生のわかる法律
 
★このコーナーは、あさひ法律事務所の佐野総信弁護士の情報提供により連載しています。
 

第十章 家庭生活

家庭法と生活 その7−離婚(2)

前回分を補い、以下の説明を加えます。

申請とそのプロセス
離婚審理は、申請後、約10週間で開廷され、抗弁等がなければ、その場で決定し、Decree Niseと呼ばれる仮決定が下され、それから1ヶ月後にDecree Absoluteと呼ばれる本決定が下されます。この1ヶ月間は、仮ですが両者は、裁判所に申請をし、まだ婚姻を継続し直す事が出来ます。 Decree Niseの本来の意味は、当事者が1ヶ月以内に裁判所に戻り、婚姻の継続を決定しない限り解消するというのが意味です。 離婚の申請は、裁判所のホームページ(http://www.familycourt.gov.au)の用意するDo-it Yourself Kitとしての離婚用キットを用いて、自分で作成するか、弁護士に依頼して作成する事ができ、比較的簡単な内容となっていますので御利用下さい。

2年未満の離婚
結婚後2年を経ない離婚については、カウンセラーと呼ばれる協議調停者を交えて、協議を経なければ離婚が可能ではありません。カウンセラーは、家庭裁判所または、弁護士などが紹介してくれます。

離婚申請費用
離婚申請費用は、オーストラリア家庭裁判所と連邦簡易裁判所では、それぞれ申請費用が異なります。通常、婚姻当事者同士が離婚に同意している場合は、連邦裁判所を使用し、この場合、$250です。しかし、婚姻当事者一方が離婚に不満を示し、抗弁を入れたい時は、家庭裁判所を使用し、これは$526です。また、裁判所への申請費用は申請者が申請費用により苦境に追い込まれる可能性のある場合は、免除されます。弁護士費用も特別難しい抗弁がなければ、$600〜$800の(申請費用別)が相場となっています。

親権−Parenting
親権の扱いは日本とオーストラリアの準拠法が大いに異なり、離婚の際は、大体と言う程、問題の種となっています。すなわち、日本は子供が日本人の戸籍を持っていれば日本の法律を原則として適用し、オーストラリアなどの法律を考慮に入れません。 子供を引き取る際によく問題となるのが、日本がハーグ国際私法会議において「国際的な子の奪取の民事面に関する条約」(1980年)に批准しておらずオーストラリアの法律がそのまま日本国内で適用できないという事です。

財産の取扱
結婚により男女は、各々が個人であると共に、共同体としての人格を持つことになります。その結果、夫婦間の財産は個人の財産であっても、この共同体の財産として置かれます。これを俗に「夫婦財産制」と呼び、オーストラリアにて財産分与を実施する場合、婚姻中の財産をその財産に置かれ分与する事になります。

Copyright (C) 2000-2003
GOSHU KAWARABAN PTY LTD All Rights Reserved.