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第十章 家庭生活
家庭法と生活 その5−出産と子供(2)− 離婚等による子供の扱い方
子供は成人に至るまで、親が養育の義務(duties)とその責任(responsibility)を有し、親に科せられています。その子供の年令はオーストラリアですと、18才までです。しかし、今日では、親同士の夫婦の愛情の変化に伴い、その親が、離婚した場合には、子供もいずれかの親と共に生活を営みながら両親の愛情を享受していく事になります。その際、離婚が多いオーストラリアでは、子供の居住するいずれの親の選択、その居住の国と場所、そして子供の養育費(child support)の支払いなど、様々な事情を裁判所の命令または両親の同意に基き、子供の最大の福祉を前提に、前以って決定しておかなければなりません。このような場合、よく利用されるのが、オーストラリア家庭裁判所の居住(residence)、接見(contact)とChild Support Agencyの養育費(child support)の各申請です。それでは下記にそれらの申請の内容について簡単に説明しておきたいと思います。
居住(residence)、接見(contact)、特別事項請求(specific issues)
権利義務の行使の為、親の接見(contact)、居住(residence)と特別事項請求(specific issues)の3点は、家庭裁判所(Family Court of Australia)に申請し、裁判所の審理を通じて決定、または変更する事が出来ます。ただ単に、片親が申請しただけでは既存の接見、居住その他の権利を変更する事は出来ません。例えば、両親が離婚時、裁判所の命令(order)または承諾命令(consent order)により、接見と居住を決定されている時に、単に片方が変更したいとして、裁判所に申請しただけでは変更する事が出来ません。これらの命令は、親の生活力、精神状態、子供の最大の福祉を考慮した上で、裁判所により決定されます。
子供の養育費 (child support)
現在、大半の子供の養育費は、1989年10月1日以降の法律の適用で、Child Support Agencyと呼ばれる政府機関により取立てられています。しかし、それまでは、裁判所の管轄でした。同Agencyが受取人の申請により、養育費を査定し、支払う側の親に支払いを命じます。支払額は、親の収入額などにより決定されます。
監護権(親権)を巡る子供の奪取
日本の家庭においては、一般的に子供は母親が引き取り、育てる事が習慣になっております。オーストラリアにおいても、裁判所への申請により、命令が下され、居住権が片方の親に与えられたとしても、両方の親に、子供を面倒見る義務が科せられます。しかし、居住権の与えられない片方の親は、子供のかわいらしさから、自分の手許に、いつまでも置きたくなり、ついつい奪取し、独占しようとする事例は多々あります。
しかし、ここで知っておく法律としては、ハーグ国際私法会議において、「国際的な子の奪取の民事面に関する条約(1980年)」が成立していますが、日本はこの条約を批准していません。従い、批准国であるオーストラリア人と日本人間に生まれた子供の海外の移動については、日本人の親が子供を日本へ連れて渡航しようとした場合、他の親の申請でオーストラリア家庭裁判所は、子供を簡単に日本に出国させる事を嫌い、出国を差し止める事ができます。また、承諾なしに出国した場合は、出国審査で止められ、出国できない事もあります。
このような処で、国際結婚の大きな問題が発生します。
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