山彦先生のわかる法律
 
★このコーナーは、あさひ法律事務所の佐野総信弁護士の情報提供により連載しています。
 

第十章 家庭生活

家庭法と生活 その1−全般

これから“家庭法と生活”と題して、家族に関わる問題を説明していきたいと思います。私達の家庭生活では、国際環境において結婚、出産、養子、離婚など家庭法(Family Law)と呼ばれる法律に照らし合わせた様々な出来事が発生致します。その上、私達は日本の戸籍法、出入国管理法、及びオーストラリアの移民法の支配を受けてオーストラリアにて生活を営んでいる人が大半であると考えます。また、国際結婚の配偶者が他の国の出身であれば、他の国の法律にも影響を受け、私達の生活は更に複雑度を極める事は確かです。このため、オーストラリアまたは日本で国際結婚をした場合にどのような届出が必要でその上、何か問題が発生した場合にどのような権利義務が存在し、それをどのように対処すべきかの骨子を知っておく事は大変重要な事であります。そして、今、流行のDe Facto relationshipの法的義務と権利、またそれ以外に結婚外に出生した子供の取扱いなどについても今の社会を反映して知って、行動する事は大変大切な事と考えます。従い、これらをまとめて、これから概要を説明してゆくつもりです。

結婚生活を垣間見ますと、私達日本人がオーストラリアで結婚をすれば、日本とオーストラリアの法律が適用されます。オーストラリアでは連邦政府と州政府がそれぞれ一般の法規を制定していますが、婚姻は連邦政府によるMarriage Act 1961が適用されます。結婚するには法律の定めにより結婚の必要要件(次号解説)が備わっている事が必要とされます。婚姻年令制限は18歳以上となっていますが、16歳以上であっても両親の同意もしくは判事または簡易裁判所判事の同意を得れば結婚する事ができます。一方日本では男性が18才で女性は16才です。国による年令の差異による婚姻年令の相違は国際私法と呼ばれる法律で処理され、届出が実施されます。

年間の婚姻数は2000年版オーストラリア年鑑によれば、1998年に110,598組の結婚がオーストラリアで記録されています。しかし、Defactoの数はこれには含まれません。それに対して、離婚はオーストラリア家庭裁判所全体では1998年に51,370件の離婚訴訟を認め、ブリスベン支部では同年には9,782件の離婚訴訟を認めました。このため、統計的には2.15組に1件の割合で離婚している事になっています。そして、結婚し、離婚をした後に二人の財産を分割する財産分与(Property Settlement)、そして子供の居住権と国際間での子供の移動をめぐる様々な法的訴訟が繰り広げられる事は少なくありません。

従い、今回のシリーズで取り扱う問題としては、これらの他に国際結婚により出生した子供及び養子の取扱い、親権、オーストラリアからの出国方法の届出、法的処理などについても取扱いたいと考えております。

 

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